介護タクシーは利用者を乗車させ、その対価として運賃を収受し運行する旅客運送事業です。

旅客運送を行う際には自動車運転二種免許を保有していなければならず、

介護タクシーの運転手はバスなどと同様に運行する車両に見合った二種免許を必要とします。

但し、二種免許が必要なものとしては運転者であり、経営者や管理者が必ずしも

運転二種免許を求められるわけではありません。

近年では、個人事業としての介護タクシー事業の開業をされる方が増えておりますので、

このケースにおいては必然的に、経営者＝運転者となり、二種免許の保有を求められますが、

会社やすでに訪問介護事業などを行っている事業所における新たなジャンルとして、

介護タクシー事業を導入される場合などについては、運転者として勤務するものが

運転二種免許を保有していれば運行上、問題はありません。

介護タクシーにおいては、体の不自由な方を想定しており、介護ありきな部分もあります。

そんな中で、介護系（福祉系）の資格を保有せずに介護タクシーを運行することは、

利用者の安全を確保できないと考えられているようです。

そこで、介護タクシーとして運行する場合に、一定のルールが設けられております。

通常、利用者を介助するためには介護系のヘルパーなどの資格を保有していなければ、

なかなかの困難な作業と考えられます。そこで、特段、福祉設備が整っていない車両を

介護タクシーとして運行する際には、運転二種免許のほかにヘルパーなど一定の資格を

保有していなければ運行は認められておりません。

但し、車いすがそのまま乗車できる車両や、寝たきりの利用者がストレッチャーのまま

乗車ができるような福祉車両を用いて運行する場合には、運転二種免許を保有していればよく、

介護系の資格までは求められません。

福祉車両を用いずに介護タクシー事業を開始される際には、ご注意ください。

ただ、今日においては車両タイプの如何を問わずに介護系資格の取得が望まれております。

利用者からの需要は運送のみならず、多少の介助についても求められているからです。

また、当然にこれに対しても費用の収受が認められており、介護者としても事業者としても、

介護系資格の取得は必要であると思われております。

利用者においても、介護系資格の有無については介護タクシー事業者を選択する上での、

ものさしにもなりつつあり、広告などの周知媒体への資格状況などの掲載も

重要なポイントとなってきております。

ちなみに、法令を熟読するに福祉車両を用いない運行においても、介護系の資格を有する者を

運転者とは別に同乗させることで許容しており、すぐに二種免許と介護系資格を併せて

保有する運転者が確保できない場合には、一つの方法として検討できそうです。

結局のところは速やかに、介護系資格の受講を求められることになるかとは思いますので、

できるだけ早い段階にて対策を講じていただきたいと思います。

介護タクシーと類するものとして、一定の条件を満たした場合に特別に登録が

認められる可能性のあるものとして福祉有償運送（79条登録）や

自家用自動車有償運送（78条許可）があります。

前述のとおり、介護タクシーを運行する際には運転二種免許が必要です。

しかし、上記の特例による登録においては必ずしも運転二種免許を保有している必要はなく、

その保有を推奨されるに留まっております。

この福祉有償運送（79条登録）や自家用自動車有償運送（78条許可）については、

説明ページをご覧いただければと思いますが、それぞれに条件が求められているために、

必ずしも登録や許可を受けられるものではありません。

通常の営利を目的とする場合には、まず、介護タクシー許可を受けることになりますので、

結局のところ、運転二種免許を保有する運転者の確保は必須ということになります。

また、二種免許を必ずしも求められないケースがありながらも、実態的には、

二種免許を受けていただくことをお勧めしております。

いずれのものも命を預かる事業には変わりはありませんので。